プライマリヘルスケアをさらに住民主体の活動とするため、「生活保健助け合いの会」18グループが発足。その長が組織するのがFINI。FINIで作る薬草石けんをご紹介します。
生活保健助け合いの会
AFMETが長年取り組んできたプライマリヘルスケアですが、どうしても保健ボランティアからの一方通行のセミナーが中心となってしまいます。また、AFMETの保健ボランティア活動は無償の活動です。息長く活動するためにも収入も必要でした。そこで、保健ボランティアが中心となる地域住民が参加する「生活保健助け合いの会」が発足しました。生活保健助け合いの会はCG(Cooperative Group)とよばれ、薬草の栽培、精製。薬草石けんの製造を行っています。18グループの地図
FINI
FINIは18あるCGの代表者が集まってできた組織です。私たちはCGRC(Cooperative Group Representive Committee)と名付けましたが、代表者自身でティモール名をつけました。
それがFINI(Fuan Ida Neon Ida:テトゥン語)です。日本語にすると「一心同体」力を合わせて取り組もうとする代表者の気持ちが表れています。
石けん作り
衛生の基本は、手を洗うこと。手を洗うことで約70%の病気が防げるといわれています。手を洗うには石けんが必要です。村ではインドネシアからの輸入石けんがよく使われています。キオスという雑貨屋さんで購入できます。
それを自分たちで作ってもっと石けんを身近なものにしていこう。それも薬草を使って、より付加価値のあるものにしようと、CGでは薬草石けんを作っています。石けんを作る型にも工夫しました。ケーキを焼くためのシリコンカップを使うことにしたのです。しかも「FINI」という文字が入った特製のカップを作りました。
薬草から石けんまで
すべてが手作りです。薬草を採り、洗い、煮出してエキスを採りだします。石けんの原料は保湿効果が豊富なココナッツオイルです。これも地域のものを使います。苛性ソーダは今は輸入品。手袋をして慎重に扱います。温度管理もしっかり行い、よく混ぜ、特製カップに入れてよく乾燥させます。パッケージも手作業です。一つ一つ検品しながら、封入していきます。
石けんは全部で3種類。皮膚疾患に効果のある、グァバとアカプルコ。パパイヤは美白効果が高いと言われ、現地では大好評です。
こうして手作りFINI薬草石けんは好評になり、今では海外へのお土産にも活用されています。
また、品質が認められ、一村一品にも選ばれました。
JICA’s World 2013年7月号 「特別レポート 北澤豪さん 国づくりの勢いを感じる in 東ティモール」(PDF/3.32MB)